セイちゃんズとミエルちゃんのおもちゃ裏話①

小龍ちゃんの話 裏話

彩玉さんと小龍ちゃん達の会話 その1

セイ(青)ちゃんが出かけて行った後、彩玉さんは出かける支度を
始める事にしました。
まず蓮ちゃんに顔を合わせながら
「蓮ちゃん、赤ちゃんに会いに行くから今からお出かけ準備をするよ。
でもお出かけする先には神様がおられるんだ。
神様達とお会いするかも知れないので、お会いしたらちゃんとご挨拶して
神様に失礼の無いようにしようね」と言い聞かせました。
蓮ちゃんは右手をあげながら「うんっ!僕っ元気にご挨拶するっ」と
お返事をしました。
お友達の赤ちゃんに会えるので嬉しくてしょうがありません。
最近の蓮ちゃんは不機嫌な時よりも元気いっぱいに明るい時が少し増えてきました。

彩玉さんはそんな蓮ちゃんにニコニコと嬉しそうにしながら
「そうだね。その位元気にご挨拶しようね」と頷きました。
次に眠っているスイちゃんを見ました。
スイちゃんを起こして一緒に行くかを尋ねようとしましたが
とても気持ち良さそうに眠っています。
あんまり気持ち良さそうなので(これは・・連れて行くのは無理だな・・)と
連れて行くのはやめる事にしました。

その後視線を移してハクちゃんとフラちゃんを見ました。
ハクちゃん達は二人でおもちゃで楽しく遊んでいました。
「ハクちゃん、フラちゃん、今から事任八幡宮に出かけるけど
君たちも来るかい?」
そう声をかけると二人は視線を彩玉さんに向けた後
スイちゃんを見てそれから心配そうに聞いて見ました。
ハクちゃんが
「スイちゃんは寝ていますが一緒に行くんですか?」
フラちゃんが
「僕スイちゃんとも一緒に行きたいです」
彩玉さんは
「そうだね・・二人の気持ちはよく分かるよ。
私も連れて行こうとしたんだが・・
気持ち良さそうに寝ているのを
邪魔するのは同じ緑龍としてはしたくないんだよ。
スイちゃんは今回はお留守番してもらおうかと思う。
この感じだと帰ってくるまでは熟睡してそうだからね」

彩玉さんのその返事に二人で目を見合わせました。
「どうする?」「どうしようか?」
ハクちゃんとフラちゃんはそう相談しています。
前回赤ちゃんや事任八幡宮の神様にとてもお世話に
なっているので一緒にお出かけしてお礼を言いたいと
思いました。
でもスイちゃんが一人で寝ています。
スイちゃんはお家で一人きりになってしまいます。
(龍ちゃん一家のお母さん達はいますが龍ちゃんはスイちゃん以外
全員お出かけになってしまいます)
もし起きた時に誰もいなかったら寂しいかも知れない。
ハクちゃんとフラちゃんはスイちゃんの事を心配しました。

彩玉さんは二人がスイちゃんをじっと見ているので
スイちゃんを残していくのが心配なんだと分かりました。
(家の子は・・みんな優しい子達ばかりだな・・・)
彩玉さんは心配しているハクちゃんとフラちゃんを
見つめて微笑みました。

ー彩玉さんの場合は少しお家自慢が入っていますが
小龍ちゃんはとっても純粋で優しい子ばかりです。
だからこそ神様に愛される存在なのです。
そして傷つきやすい子もいるので可愛い小龍ちゃんは神様が
辛い思いをしないようにと守ろうとされるのですー

彩玉さんはスイちゃんなら一人でも問題ないだろうと考えています。
スイちゃんの事を同じ緑龍として一目置いている理由の
一つとして、
動じないという事があります。
ずっと見ていても焦っているスイちゃんを見たことがありません。
そして自分のペースを守って無理もしません。
常に眠りを優先して体力を使いすぎない様にしています。
邪気払いの時のお手伝いでは少しだけ無理をしたようですが
それもそれまでに体力をためていて一番いい時に必要な力を
放出するように調整していて、それを使うのが邪気払いの時だと
自分で分かっていたからだと彩玉さんは思っていました。

ー彩玉さんはスイちゃんをそう評価していますが
実はスイちゃんは本当は違うんだと本人が言っていました。
「僕・・・そんなに強くないんだよ・・
すごく怖い時や悲しい時や辛い時や緊張した時は、眠るようにしているの。
そうすると怖いのも、悲しいのも、辛いのも、緊張しているのも忘れられるの。
ここのお家に来て彩玉さんという寝床に巡り合えたから僕
すごく安心したの。一緒にいるととても楽な気持になれるんだよ。
だから起きた時は気が大きくなっているので少し強気な僕になるの」
あまりに彩玉さんが過大評価するのでスイちゃんはそう言い訳していました。
スイちゃんに実は2つの顔があるとは意外でしたー

スイちゃんは一人でも心配ないと思っている彩玉さんと
残していくのは心配なハクちゃんとフラちゃん。
スイちゃんは人によって心配な存在にもしっかりしている存在にも
見えます。見方次第で全然違うのでこういった場合残すべきか
連れて行くべきかは意見が全然合いませんでした。

いつもは全然興味を示さない蓮ちゃんがお話を聞いていて
「ねぇ大兄ちゃん。その木さんみたいな子はね~
木さんに似ているから、森の木さんに聞いたらいいよっ!」と言って来ました。
その言葉に三人は(おおっそうかっ!)と意外な所からの
意外に効果のある答えを聞いて驚くと同時にすごくいい提案だと
思いました。
蓮ちゃんは最近とっても賢い言葉を言うようになってきました。
彩玉さんは(セイ(青)ちゃんも大人になって来たけど蓮ちゃんも
成長して来たんだねぇ・・・)と感慨を覚えながら感動しています。

ハクちゃんとフラちゃんも今までは全然周囲を無視するように
彩玉さんとセイ(青)ちゃんにしか興味を示さなかった蓮ちゃんの
意外な助言に未だに驚きを隠せていません。
「珍しいね~。あの蓮ちゃんが・・信じらんないよ・・」
以前から散々怒られていた
ハクちゃんは過去を思い出して疑いの目で蓮ちゃんを見ました。
「ハクちゃん大変だったって言ってたよね。僕も蓮ちゃんを怒らせるの怖いから
近寄らなかったけど・・なんだか前より怒らなくなって笑う事が増えたよね。
変わって来て周囲が見えるようになったのかなぁ?」
二人で蓮ちゃんを時たま見ながらそんな話をひそひそとしています。

当の蓮ちゃんはその時セイお兄ちゃんと赤ちゃんの事を考えていました。
(セイお兄ちゃん、赤ちゃんにおもちゃ渡したかなぁ。赤ちゃんきっと
喜んでるよねっ♪)
元は蓮ちゃんの提案から始まったおもちゃで起きている騒動を蓮ちゃんは
全然想像もしていませんでした。

















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