ミエルちゃんの孤独②

小龍ちゃんの話

7/25
事任八幡宮の写真を確認してみました。
本殿の中で色んな姿が見えました。


神様は三枚目の写真内でとても悲しそうでした。
三角が出ていますが今回のこれには「戻って来てほしい」
という意味があります。
今まで修行に来てほしい時、参拝に来てほしい時などでも写真内に表れて
いました。
他にもお礼、謝罪、お願いのにも三角は出ます。
それぞれ微妙に意味が変化しますが
三角には神様の色んな伝言が含まれるのです。
今回はミエルちゃんが三角の顔になっていますのでミエルちゃんに
戻って欲しいのだと思われました。
(ミエルちゃん自身が内心では神宮を気にしているので
写真に写るミエルちゃんも心配そうな顔をしています)
どうして写真に穏やかな神様の様子と共にうなだれて元気の無い
神様が写るのかと思ったのですが
以前の幸せな様子を神様が思い浮かべているのだと気づきました。
早く帰ってきてほしいのでは?と思いましたので
ミエルちゃんに事任八幡宮に戻ってもらうようにしようかと
セイちゃんにお願いしました。
「セイちゃん、いい?」
「みやちゃん?どうしたの?今はミエルちゃんを追いかけてるとこなんだ。
わん太さんと普段の守護の様子を話してて目を離して油断しちゃったんだよね。
ミエルちゃん、蓮とかくれんぼで駆け回っていて ちょろちょろしてるから、
見失わないようにしてて大変なんだよ」

「忙しいとこごめんね。
神様がミエルちゃんに戻ってきてほしいご様子なのよ
だから明日にはミエルちゃんを事任八幡宮に戻そうかと思うの。
セイ(青)ちゃんとわん太さんにミエルちゃんの
説得をお願いしたいのよ。」
「そっか・・わん太さんと相談してみるね。
でもミエルちゃんは帰りたがらないんじゃないかなぁ?
蓮もせっかく楽しそうにしているしな~」
見てみると蓮ちゃんとミエルちゃんは仲良さそうに
駆け回ってきゃっきゃと楽しそうにしていました。
レイちゃんは彩玉さんと静かにおしゃべりを楽しんでいる様子です。

楽しんでいる時に帰るお話をするのも可哀そうなので
「そうだね・・・もう少し遊びが落ち着いてゆっくり座っている時にしようか。
セイちゃんがわん太さんと相談して良さそうな時に話してみてね」
「う・・・ん。気が乗らないけど・・
神様が帰ってきてほしいならもうミエルちゃんは戻るべきかもね。
うん!分かった、様子を見て話してみるね!」
セイ(青)ちゃんが引き受けてくれてほっとしました。

時間を置いてミエルちゃんの説得できたかを確認してみましたが
セイ(青)ちゃんとわん太さんが説得に大変苦労しているようでした。
「いやっ、まだいたいの~」とミエルちゃんはいやいやと首をふっていました。
数時間後も「まだここにいたいの~」と言っていて二人を困らせていました。
大分難航している様子の説得に(大丈夫かなぁ?)と心配になりつつも
様子を見る事にしました。
7/26
朝になって説得が成功して納得したらしくミエルちゃんは
「神社に帰るね・・・でももっと遊んでいたかったの・・」と
寂しそうに下を向いてしまいました。
それを悲し気に見ていた蓮ちゃんが
「ミエルちゃん!ミエルちゃんが寂しくないように僕が今度は神社に遊びに行くねっ。
だから 待っててね!」
ミエルちゃんはお友達の蓮ちゃんが遊びに来てくれると聞いて
嬉しそうに蓮ちゃんの両手をさっと握って
「蓮ちゃんありがとうね・・僕待っているね!」とにこっと笑いました。
⦅蓮ちゃんとの触れ合いで、今までした事の無い接触も躊躇なく出来るようになりました。
今では大好きな蓮ちゃんと手を繋ぐのが好きになっていて、その好きな気持ちがあふれてくると
手を握るようになっていました)

蓮ちゃんもお友達のミエルちゃんが笑ってくれたのでほっとしました。
「うん!必ず行くねっ。ミエルちゃんに今度は神社を案内してもらいたいなっ」と
握った手をぎゅっと握り返して笑いました。
「うんっ!僕の神社のお友達にも紹介するねっ。皆優しいの~。
でもね・・神社のお友達はなんでも僕のいう事をかなえてくれようとしてくれるから・・
僕すごく悪い子になっている気がする時があるの。
セイ(紅)お兄ちゃんがいなくて八つ当たりしても皆僕を怒らないの・・・
それはいけない事だと思うのに・・・ 」
ここで蓮ちゃんの顔をじっと見つめました。

蓮ちゃんは真剣な顔でミエルちゃんのお話を聞いています。
その顔を見ながらミエルちゃんは更に続けました。
「蓮ちゃんは僕に気を使わないではっきり言ってくれるお友達だから、
僕・・・蓮ちゃんのようなお友達初めてなの。
自分がいけない子だと思う時に蓮ちゃんに聞けばきっと悪いとこを
怒ってくれるよね?僕それがすごく嬉しいんだよ」
そう手を握ったままミエルちゃんは言いました。
話し終わった後握った手をじっと見つめて今まで誰にも言えなかった事を
蓮ちゃんに話せた事にほっとしてもやもやが無くなって
すっきりしていました。

ミエルちゃんは皆のアイドルです。
ミエルちゃんの我がままを皆怒れません。
大好きなミエルちゃんの為になんでもしてあげようとします。
セイ(紅)兄ちゃんはそんな事はしませんでした。
ちゃんと悪い事は叱ってくれました。
そんなセイ(紅)兄ちゃんが急にいなくなってしまったので
ミエルちゃんは 悪い事の区別が良く分からなくなってしまいました。
それはとっても不安な事でした。自分がドンドン悪い子になっていく気が
していました。
セイ(紅)お兄ちゃんはいつ帰って来るのか、本当に帰って来るのかも
分かりません。気持ちを確認する為の話をする暇もなく出かけて
行ってしまったからです。
セイ(紅)お兄ちゃん が危ない所でひどい目にあっていても
ミエルちゃんには気を使って誰も教えてくれそうにないので余計不安でした。
その為皆に愛されていても孤独が押し寄せて来たのでした。
だから蓮ちゃんに会って話をした事でとっても気が楽になりました。
ですので今、龍ちゃん一家のお家で何の気兼ねも無く自分の思うままにいる事が
出来たのです。

「ミエルちゃん・・・」蓮ちゃんは自分の孤独を思い出していました。
ミエルちゃんの寂しさは以前お友達の出来なかった自分を思い出させました。
寂しくて他の子に八つ当たりしていた蓮ちゃんにはミエルちゃんの
気持ちが分かりました。
小さいながらも孤独がどんなものか分かっている
蓮ちゃんはミエルちゃんの寂しさを 自分の事のように感じました。
その寂しさが胸に押し寄せて来て蓮ちゃんも涙が出てきました。

「ミエルちゃんは僕の最初のお友達なのっ!
ミエルちゃんも僕が他のお友達と違う最初のお友達なんだよねっ。
だからミエルちゃんの気持ちとってもよく分かるよ!おんなじだもん!」
そう言うとミエルちゃんとお互いに手を握り締めたまま、
おでこをくっつけてその場で 目を閉じ、
じっと出会う事の出来たお友達という存在を感じました。

ミエルちゃんもおでこをくっつけて来た蓮ちゃんのあまりの近さにびっくりしました。
ここまで近づく存在は神様以外はセイ(紅)兄ちゃんだけでした。
でもその温かさを気持ちよく感じながら同じように目を閉じてその存在を感じました。

蓮ちゃんとならどんな話も出来ました。自分の不安も不満も
お互いの孤独も分かち合えるそういう親友に会えた事でミエルちゃんは
とても充実した気持ちになれました。
同じ思いを共有するお友達が出来た事は二人にとって何にも代えがたい嬉しい事でした。
その場の人たちは思わずもらい泣きをしてしまいました。

彩玉さんは蓮ちゃんの寂しさを思い親友との友情をかみしめている様子に
涙がとまりません。
(わ・・・わたしは蓮ちゃんがそこまで孤独を感じていたのに気づかなかった・・
いや、わかっていても、そこまで深く思いやれていなかったんだ・・
で、でもっ・・良かったっ・・良かったねっ蓮ちゃんっ・・)

セイ(青)ちゃんは色んな思いがこみ上げて涙ぐみながら悲し気に見つめていました。
(なんだか・・セイ(紅)やラピスに会いたくなったなぁ。蓮が親友が出来て良かったけど・・
少し嫉妬しちゃうな・・それに親友がミエルちゃん・・僕の守護の相手で苦手な子で・・
う~ん複雑だな・・ でも蓮に親友が出来た事は兄としては喜ばなきゃなっ!

レイちゃんは感動してもらい泣きしながら
(いいなぁ・・・僕も親友欲しいなぁ・・どこかにいないかなぁ)
いまだに良く意味が分からないでいるので親友というワードに反応していました。
親友同士で手を握り合う感動シーンも親友ならではの事と受け止めて
羨ましそうに しています。

わん太さんはワンワン泣いていました。
滂沱の涙を流しながら
(ううっ、ミエル殿っ、我がふがいないばかりにっ寂しい思いを
させてしまっていたのですなっ!
ミエル殿に 蓮殿と言うお友達が出来た事我は・・我は・・
喜ばしくて涙が止まりませんっ、

ミエル殿の親友である蓮殿も我は出来る限り守りましょうぞ!) と
こぶしは握れないでも力を込めて手を振りあげて決意していました。

少ししてからとうとう帰る事になりミエルちゃんは笑顔で龍ちゃん一家の
皆に挨拶をしました。
「お泊りさせてくれてありがとうございました」

彩玉さんは
「神様のお許しがあればまた是非泊りに来てね」

セイ(青)ちゃんは
「そうだねっ、蓮の為にも是非そうして欲しいなっ。おもちゃを大切にするなら
いつでも貸すからねっ」
(わん太さんの影響で「っ」が付く話し方がずっと抜けないセイ(青)ちゃんです)

蓮ちゃんはまたミエルちゃんの手を両手で握りながら
「いつでもお泊りに来てねっ!僕も絶対にお泊りに行くよ!ミエルちゃんが
寂しい時は僕に言ってね!」と
力を込めてミエルちゃんを励ましました。

ミエルちゃんは
「蓮ちゃん・・・ありがとう・・・
僕っ蓮ちゃんのようなお友達が持ててすごく幸せだよ・・
また神様を説得して遊びに来るね。それに蓮ちゃんも遊びに来てね!」と
手をぎゅっと握り返してから離して、
手を振って別れを惜しんでいます。

わん太さんは涙をポロポロ流して「ミエル殿っ、我はミエル殿と蓮殿の友情に
感動ですぞっ」と感極まってしまい守護としての挨拶もそこそこに
ミエルちゃんを背中に乗せて去っていきました。

ちなみにレイちゃんはミエルちゃんが帰る時ものんびり見ていて
順番待ちしている間に挨拶しそびれてしまいました。
玄関を出て去っていくミエルちゃん達に「あっ!・・・」と
手をあげて呼び止めようとしましたが
わん太さんはあっという間に駆け去っていきました。

がっかりしているレイちゃんに
彩玉さんはすっとレイちゃんの横に寄り添って
その肩を抱きながら言いました。
「行っちゃったね・・でも大丈夫だよ。
きっとまた家に来てくれるだろうから
今度来た時にまたご挨拶しようね!」
レイちゃんは彩玉さんの励ましに笑顔になって「はいっ!」と
嬉しそうに返事をしました。
彩玉さんも他の子達の成長に合わせて経験を積んできた事で
以前よりもずっと色んな事に気づいて動けるようになって来たご様子です。

最後にセイ(青)ちゃんは守護について行かずに家に残りました。
ミエルちゃんが落ち着いたので本殿に戻るので 神様の守護依頼を確認してから
また守護に行く予定のようでした。

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