ミエルちゃんの孤独 番外編

小龍ちゃんの話 裏話

わん太さんの過去のお話
わん太さんは過去江戸時代に普通の犬でした。
大名のお殿様に飼われていてとても可愛がられていてそのお殿様が大好きでした。
でもある時そのお殿様は亡くなってしまいました。
わん太さんはお殿様を守るのが自分の大切な仕事だと思っていましたので
守る存在が急にいなくなってしまい大変なショックを受けました。
その上、そのお家でお殿様の代わりにお殿様になった存在が
「前のお殿様に関わる物は 全て処分しろ」と命じたため、
わん太さんは殺されそうになりましたが、
いつもわん太さんを 可愛がってくれた家臣がそっと逃がしてくれました。
わん太さんはとぼとぼとその後野良犬生活を続けていましたが、
たまたまたどり着いた事任八幡宮の神様に拾われてそこで住む事になりました。
犬としての生涯が終わったのちもわん太さんは事任八幡宮で守護として
ずっと守りに加わっています。
そしてミエルちゃんが生まれて神様によりミエルちゃん専用の守護に任命されました。
自分の主人を久しぶりに持てた事で、かつてお殿様を守りたいと思っていたのに
いなくなってしまった過去を思い出し、今度こそミエル殿をずっとお守りすると決めています。
わん太さんはその為江戸時代の武士のような口調なのです。

ミエルちゃんの命名について
ミエルちゃんが守護を持つとその守護にはミエルちゃんがお名前を新たに名付ける
命名式が あります。
そうして最初に名付けられたのはわん太さんです。
わん太さんの前の名前は「嵐丸」でしたので随分と可愛い名前に変わっています。
ミエルちゃんが命名すると全部可愛い名前になるようです。
わん太さんはそれは嬉しそうに自分の名前を誇らしげに名乗っていましたが
セイ(青)ちゃんは(ちょっと嫌だな~)と思っていました。

今の所ミエルちゃんの守護は臨時の物で直属の守護になる予定ではありませんが
もしミエルちゃんが自分に名前を付けた時の事を想像してしまいました。
(う~ん。わん太さんに似た名前だと…にゃん太さん?
つう太さん⦅わん、つう、すりーの意味で⦆
僕が龍だから・・・龍太さん?おっ!これは少しいいかも・・
でもミエルちゃんはこの名前はつけないかな~ 可愛い感じにしたがると思うから・・
え~と、りゅうでは無く・・ろん太さん!・・・)
考えていてあまりに名前がおかしくなっていくので力が抜けて来た
セイ(青)ちゃんはそれ以上考えるのをやめる事にしました。
(やっぱり僕にはセイがいいやっ!)と自分の名前を再認識して満足したのでした。

守護についてですが、ミエルちゃんの命名式は、
ミエルちゃんが呼びやすいように設定された簡易の物で完全に
守護になるのとは違うようです。
小さいうちだけの守護であり、大きくなったら一部は腹心として残りますが
他の守護は仲間として事任八幡宮を守っていくようになります。
ちなみにミエルちゃんの命名でついた名前は全部「ん太」がつきます。
キツネはこん太さん、
おさるさんはせん太さん、もん太さん、河童はかん太さんです。
ミエルちゃんは「ん太」が付く名前が可愛いと気に入っています(*^-^*)
女の子には「ん太」の名前は不評です。でもセオリーで「ん太」はつきます。
例えばみん太さんのような感じで名づけたら「みん」さんと
縮めて呼んでいる様子です。

ミエルちゃんのお話を聞いていて、
シエルちゃんは名前をつけているか聞いて見ました。
「森の木さんにお名前つけたよっ。
あのね~一本(いっぽん)、二本(にほん)、三本(さんぼん)、
四本(よんほん)さんなんだよ~素敵でしょっ」
「えっ?どこが素敵なの?名前に個性が全然ない気がするよ?
木さんは その名前でいいの?」
「シエルちゃんがつけてくれた名前なの~気に入っているよ~」
「そうだよ~素敵な名前なの~」
木さん達は今まで名前が無かったのでつけて貰った事で感激しているようでした。
でもシエルちゃんもミエルちゃんも命名センスは個性的です。

またミエルちゃんは別格のオーラ持っていて誰もがミエルちゃんに
好きになってもらおうとします。
セイちゃんズはそうなっていないので冷静ですが、
ほとんど初回で誰もが気に入るようです。
ミエルちゃんは生まれつき人に好かれる強い魅力を持っているようです。

息吹さんとミエルちゃんとわん太さん

息吹さんが龍ちゃん一家にミエルちゃんが泊まっている時に訪問しました。
ミエルちゃんは「あっ!おじいちゃ~ん」と駆けて来て息吹さんの足に
しがみつきました。
(どうも息吹さんはミエルちゃんと顔見知りのようですね)
息吹さんが
「おおっ、ミエル坊、久しぶりだね。元気だったかい?」と聞くと
「僕ねっ、あのねっ、セイお兄ちゃんがいなくて寂しくてねっ、悲しくて・・」 と
息吹おじいちゃんに会えた事でほっとしたのか、悲しさがこみあげて涙ぐんで
しまいました。
でもその時に目の端に心配して悲しそうな顔の蓮ちゃんがいるのが見えました。
(そうだよ。僕には今は蓮ちゃんがいるんだから大丈夫なんだ・・)
そう思うと元気が出てきました。
涙をふいて顔をあげると
「そうしたらねっ!蓮ちゃんがお友達として⦅お家に来てねっ⦆って
言ってくれたのっ!
今はとっても楽しいのよ~」と嬉しそうににっこり笑いました。
息吹さんは「そうかい。それは良かったね」とニコニコとミエルちゃんの
頭を撫でて可愛がっています。
息吹さんは蓮ちゃんにも(良くやったね!)と
頷きながらニコッと笑いかけました。
息吹さんも蓮ちゃんがお友達を大事に出来る子に成長して
親友が出来て嬉しい様子でした。

蓮ちゃんはミエルちゃんの嬉しそうな様子や息吹おじいちゃんが笑顔で
満足そうにほめてくれた事に感激して(やったぁ!)と両手をあげて
端っこでくるくるっと喜びのあまり一回転してしまいました。
片足で回ったのでつまづきそうになり「おっとっと・・・」と
前にチョンチョンチョンと進みながら踏ん張って止まりました。
喜んだ後に踏ん張ったのでへの字の口で変顔になっています。

急に一回転した後の面白顔の蓮ちゃんの元気な様子に彩玉さんは
「くすっ」と笑ってしまいました。

レイちゃんはあっけにとられています。(何で急に一回転しているんだろう??)
レイちゃんは相変わらず事の成り行きが分からないようです。
のんびりさんなのであんまり細かい事は気にしないので誰にも蓮ちゃんの事や
ミエルちゃんの事を質問していませんので余計です。
それにレイちゃんは相談して来たら親身になってお話を聞きますが、自分から
他の人の事は詮索しない子です。
彩玉さんも聞いてこない限りは話さないのでレイちゃんと彩玉さんは
二人だけの時は茶飲み友達のようにのんびり笑って他愛のない会話をしています。

セイ(青)ちゃんはお隣のわん太さんと微笑みを交わして頷きあいました。
わん太さんのしっぽが嬉しそうにぶんぶんと回っています。
嬉しすぎて駆け回りそうな勢いです。

ミエルちゃんの頭を撫でているとわん太さんが両手をあげて万歳のような姿勢で
息吹さんに駆けよって行きました。
ミエルちゃんの話に感激したのと、息吹さんに会えた事が嬉しくて
つい暴走してしまったのです。犬の血が騒いでしまったようです。
それでも戦闘態勢の四つ足は我慢しました。

「おおっ!息吹殿っ、いいですかなっ?先日は大変お世話になりもうしたっ。
ミエル殿が元気になったお祝いにまた是非っ、美味しいお酒を飲みましょうぞっ。
我にあう酒を準備出来るのも息吹殿ならではですからなっ」と
ワォワォと笑っています。 息吹さんとお酒を飲む、飲み仲間なようです。

犬にあう酒って人間のお酒とは違う物かと思いますが龍にも合うのでしょうか?
息吹さんは時たま事任八幡宮に顔を出しているのかと思いました。
その後息吹さんはミエルちゃんや、
わん太さんにまた会いに行くと話して去っていってしまいました。
今回は座布団の出番はありませんでした(笑)

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