シンちゃんのお別れ
11時にシンちゃんが出かけて行きました。 出かける前の様子がちらっと見えましたが
シンちゃんが明るいので皆悲しいながらも笑っていました。
蓮ちゃんが「僕シンお兄ちゃん会った時から気に入っていたけど・・
その後何だか気持ち悪い感じだったんで傍に寄れなかったの」と 言うと、
シンちゃんが 「えっ?!僕気持ち悪い?えっ!」と自分を
指さしながら 周囲に聞いています。
彩玉さんは涙を浮かべながら笑って頷いています。
セイちゃんも 「そうだよ!僕も最初は全然気にしてなかったけど、
いつもおもちゃで 遊ぶ事より蓮を追っかけまわして色々変な顔しているんだもん。
おもちゃで遊ぶのに興味を示さない変な奴だと思ったよ!」
セイちゃんはそう言いながらもシンちゃんが気に入っていたようです。
セイ(紅)ちゃんと同じでおもちゃを使わなくても付き合える奴だと 認めています。
ハクちゃんとフラちゃんはほとんど親しくなる暇も無くいなくなってしまう
シンちゃんですが シンちゃんの性格を少しわかって来ていたので
「シンちゃんなら新しい所に行っても大丈夫だよ!」
「うん!シンちゃんなら赤ちゃんに冷たくされてもやっていけるよっ!」 と
どこに行ってもやっていけると太鼓判を押しました。
「え~っ、なんで新しい所でも僕赤ちゃんに嫌われるのさ~。
僕は可愛い子をすごく大切にしてるのにっ」と
いつも頑張って仲良くしようと しているから不満顔です。
彩玉さんが 「シンちゃんは誤解されやすいからね。
まぁそのにやにやした顔を やめれば少しは赤ちゃんも慣れると思うんだけどねぇ」 と
苦笑しながら言いました。
シンちゃんは指摘されて「えっ?」と顔に手をやりました。
全然自覚が無かったようです。 蓮ちゃんが前からシンちゃんに抱きつきました。
両手を 足にからませて顔を見あげて
「シンお兄ちゃんが行くところの赤ちゃん達はとっても寂しいと 思うの。
僕・・寂しいけど・・僕には彩兄ちゃん達がいるから 大丈夫!」
そこで下を向いて涙をぬぐいました。
そしてそのまま、また顔を見あげて
「だからね!シンお兄ちゃんが皆を可愛がってくれたら
皆シンお兄ちゃんを「お兄ちゃん」って慕ってくれるから
シンお兄ちゃんの可愛い弟が欲しいって夢がかなうと思うんだ。
そうしたら赤ちゃん達も幸せだしシンお兄ちゃんも寂しくないよ!」
蓮ちゃんはそう言ってニコッと笑いました。
シンちゃんを心配させたくないという思いもあったのですが
その笑顔は涙を浮かべながらも弱弱しい感じではなく
シンちゃんがちゃんとやれると確信した しっかりとしたものでした。
蓮ちゃんは最近の経験で少し強くなったようです。
シンちゃんはその笑顔に押されて
「蓮ちゃんありがとう!すごく蓮ちゃんの言葉で力が出たよ!
これから子守に頑張って来るね!
落ち着いたら必ず 蓮ちゃんに会いに遊びに来るから待っていてね!」と
抱きついている 蓮ちゃんの肩を抱きながら誓いました。
そこで 「ねぇ!僕たちには会いに来てくれないの?」とフラちゃんが笑いながら言いました。
ハクちゃんも頷きながら 「そうだよっ、何だか蓮ちゃんだけに会いに来るの?」と笑いました。
セイちゃんは 「シンは最初から最後まで蓮一筋だよなぁ」と涙を浮かべながら笑っています。
彩玉さんは 「いつでも来なさい。歓迎するよ」と笑いました。
シンちゃんは笑い泣きしながら 「うん!ありがとうっ。必ず皆に会いに来るねっ!
じゃあ行ってくるね!」 そう言って静かに待っていた龍宇様に促されて出かけて行きました。
わん太さんは今回のお別れシーンを腕を組んで見ていました。
今回のシーンでも涙がこぼれて来ていましたが
途中から顔を上に向けて目をつぶって涙が流れるままに
(なんという感動の別れだ!素晴らしいっ。涙が止まりませんぞ!
ああ・・この感動のシーンをミエル殿に後で是非お伝えせねば!)と
心の中で呟いていました。
後に残った蓮ちゃんはまた泣いてしまいました。
でも彩玉さんにそっと背に手を置かれて励ますように支えられると
ニコッと笑って「僕大丈夫だよっ。でもちょっと悲しいから 少しお昼寝するね」と
彩玉さんに抱き着いて彩玉さんの癒しを 受けながら眠りにつきました。
ハクちゃんとフラちゃんは心配そうに蓮ちゃんを見ています。
セイちゃんはレイちゃん達の時よりかは今回は別れの寂しさを 感じませんでした。
シンちゃんのキャラのせいでしょうか?
「シンならどこに行ってもやっていけるよなっ」とつぶやきました。
その為かハクちゃんフラちゃん程は蓮ちゃんの事も心配していません。
蓮ちゃんが以前よりしっかりして来た事を兄弟として何となく 感じているからです。
今回のシンちゃんとの出来事は蓮ちゃんをまた成長させてくれたんだと
セイちゃんは思いました。
黒鉄ちゃんとの出会い
その後黒鉄ちゃんの所に行ったシンちゃんは
別れの余韻の後で しんみりしていましたが 赤ちゃんに囲まれて
忙しく動き回っている黒鉄ちゃんを見て驚きました。
黒鉄ちゃんが 「ああ~君がシンちゃん?すごく助かったよ!来てくれてありがとう~。
僕も手が回らないから今は神社の中の案内が出来ないけど
まずは赤ちゃんの子守の手伝いをお願いしていい?」
シンちゃんは 「うっ、うん!子守するね。でっでも赤ちゃんこんなにいるの??」
「そうだよっ、手一杯だったからすごく助かったよ~よろしくねっ」
そう言いながら忙しく動き回っている黒鉄ちゃんを見ながら
シンちゃんは
(弟欲しいけど・・・赤ちゃん好きだけど・・・ 僕こんなに面倒見れるかなぁ・・・)と
あっけに取られていました。
黒鉄ちゃんの所はそんな感じでシンちゃんはこれから忙しくなりそうです。
今回の話でシンちゃんの名前に「芯」のイメージがありました。
シンちゃんは芯がしっかりしていてどこでもやれると思いました。
コメント(匿名でも大丈夫です)