高尾山の修行体験記 紅ちゃんとゆにちゃんとラリマーちゃん②

小龍ちゃんの話

尾山修行前夜
二人視点


紅ちゃんとラリマーちゃんは夜天狗先生に面白いお話を教えてもらいました。
以前いたお兄ちゃん達の修行の時のお話です。
修行先におもちゃを持ってきた青龍ちゃん。
その仲良しの青龍ちゃんはとても飛ぶのが早かった事。
追加で後から合流した紅龍ちゃんと三人がとても仲良しだった事。
他にも黒龍ちゃんと白龍ちゃんの熱気のこもった龍神様になる方法を
語り合っている様子。
恥ずかしがり屋の白龍ちゃん二人がなかなかご挨拶出来なかった事、
年上の緑龍さんと年下の緑龍さんのお話等 、
それぞれ色んな組み合わせがあって皆個性的だった事を
天狗先生は懐かしそうに 話していました。

ラリマーちゃん視点

ラリマーちゃんは天狗先生のそのお話の巧みさにすっかり聞き入っていました。
つい身を乗り出して一言も聞き逃すまいと思いました。
ラリマーちゃんにとってお笑いをするのにとっても必要な話術を先生は習得しています。
ラリマーちゃんは(天狗先生こそは僕の話術の師匠だ!)と悟りました。
どうしたら先生のように面白いお話を出来るのかその話術を習得したいと思っています。
「そうすればお母さんはきっと笑って僕をほめてくれるし、
ラピスちゃんは僕を認めておもちゃを貸してくれるかもしれない・・」
ラリマーちゃんはお家に帰ってから色々試してみたいと 思っています。

紅ちゃん視点

紅ちゃんは天狗先生のお話を目をキラキラさせて聞いていました。
すると隣で聞いていたラリマーちゃんが身を乗り出しています。
紅ちゃんはラリマーちゃんが気になり出しました。
(もしかしてラリマーちゃんにはまだ早いお話だったかな?
飽きちゃったんじゃないかな?) すごい勘違いです。
紅ちゃんは身を乗り出しているラリマーちゃんに何か声をかけようかと思いました。
でも天狗先生のお話の途中に他の事をするのもいけないと思い声をかけるのをやめました。
それでも紅ちゃんはお兄ちゃんとしてラリマーちゃんの様子を気にしてあげないと
思っていたので後で何があったか聞いてあげる事にしました。

天狗先生のお話後の二人

天狗先生のお話はとても面白くて二人とも話の最後には何も考える余裕も無いほど
夢中になって 聞いていました。
終わって天狗先生が「これで話はおしまいだよ。
さあっ君たちはもう寝る時間だから自分たちの寝場所に行って寝なさい」と
言って去っていきました。

息をつめて正座で聞いていた二人は先生が去った事で体の緊張がほぐれてほっとしました。
二人とも正座をやめて足を延ばしのび~っと両手を上にあげて
体の凝っている所をほぐしました。
その後足を延ばしたままお尻の後ろの床に手を置いてその姿勢で話し始めました。
「すごく楽しいお話だったね~。僕今のお話なら何度でも聞けるよっ」
紅ちゃんは ラリマーちゃんに聞こうと思っていた事も忘れてそう言いました。
「そうだよねっ。僕もあんな風にお話出来るようになりたいなぁ。」
ラリマーちゃんは憧れをこめてそう話しました。

紅ちゃんはそんなラリマーちゃんを見て
(自分にはあんな風に憧れる物があるかな?)と 考えてしまいました。
ゆにお兄ちゃんもお家の大きいお兄ちゃんも「修行したい」と言っていました。
(僕はお兄ちゃん達のように修行するよりもお母さん達をお守りしたいの。

修行が憧れじゃないから・・それだと僕が本当にしたい事って何も無いよなぁ。
皆目標があるのに・・小さいラリマーちゃんでもそうみたいなのに・・・)
ちょっと皆に置いてけぼりを食っているような気がしてきました。
そう考えていた紅ちゃんは今日は一日色んな事を経験したのでうとうとしてきました。
眠くなって来て目をこすっているとラリマーちゃんもお隣で眠っています。

(あっ!ラリマーちゃんが寝ちゃってる!起こしてお布団に連れて行かないとっ)
むくむくとお兄ちゃんモードになった紅ちゃんはラリマーちゃんを起こして
どうにか お布団にたどり着くとぐっすりと眠りました。
紅ちゃんもラリマーちゃんも満足して気持ちよく眠っています。
そうして一日目はあっという間に終わってしまいました。

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