黒龍のシンちゃんと紅龍のナギちゃん②

小龍ちゃんの話

お家に新しい小龍ちゃんがやって来てまだ皆が落ち着いていない時間に
セイ(青)ちゃんは帰宅しました。
(うん?何だかまた新しい子が来てる?変なの~っ)
次々に新しい子が来るので すっかり慣れた様子の
セイ(青)ちゃんですが変だとも思っているようです。
(でも新しい子が来ることは前もって知っていたはずです。
多分いつものごとくおもちゃに夢中で半分聞いていなかったのでしょう)
セイ(青)ちゃんが帰って来たのに気が付いた彩玉さんが
セイ(青)ちゃんを ちょいちょいっと手で招きました。
おとなしくセイ(青)ちゃんが彩玉さんの傍に来ると
「セイちゃん帰って来たね。お帰り。少しの間家に泊まる事になった子達を 紹介するね」と
セイ(青)ちゃんの背中に手を置いて小龍ちゃん達の方を向かせました。
「黒龍のシンちゃんと、紅龍のナギちゃんだ。これから仲良くしてあげてね」
彩玉さんにそう言われてセイ(青)ちゃんは小龍ちゃん達を見ました。
レイちゃんの影に隠れてそ~っとのぞいているナギちゃんと 蓮ちゃんにいたずらをしたくて
目をキラキラ輝かせているシンちゃんです。

シンちゃんは自分が気に入った蓮ちゃんにあいさつ代わりにいたずらしたいと思っています。
それがさっきから散々考えて気に入った事を示そうとしているシンちゃんの愛情表現でした。
ホントに困った黒龍ちゃんです。
にやにや笑って、いたずらが成功した時の事を想像しています。
頭の中では蓮ちゃんが
(もうっシンお兄ちゃんの意地悪っ!僕はシンお兄ちゃんの事すごく好きなのに
なんで意地悪するの~)と涙目で訴えています。
その様子がすっごく可愛いのでシンちゃんはにやにやです。
以前から弟が欲しかったシンちゃんは「弟」の存在に夢を持っています。

蓮ちゃんはにやにやと何かを考えて自分を見てくるシンちゃんに
何か悪い予感を感じて 彩玉さんにしがみつきました。
彩玉さんはしがみついて来た蓮ちゃんをポンポンと軽くあやすようにたたくと
お互いが挨拶するように見守っています。
最近色んな子が来るので挨拶させるのに随分慣れてきました。

セイ(青)ちゃんはじ~っとシンちゃんを見ています。
いたずら好きそうなシンちゃんを見ていると自分と似た所を感じています。
蓮ちゃんがすぐにシンちゃんを気に入ったのも
大好きなお兄ちゃんに似ている気がしたからです。
(もしかして・・・この子なら僕のおもちゃでの遊び相手に最適かも・・)
セイ(青)ちゃんはシンちゃんを観察していてなかなか挨拶をしません。
シンちゃんは蓮ちゃんを構いたくて全然セイ(青)ちゃんを見ていません。

今一番気になる蓮ちゃんに集中してしまっているようです。
そろって自分の考えに夢中なので彩玉さんは苦笑しています。
「こらこらっセイ(青)ちゃん、シンちゃん!お互いに挨拶だよっ」
そう声をかけて (彩玉さんはナギちゃんが恥ずかしがり屋なので、
直接挨拶させるならシンちゃんが先と思ったようです)
それでやっとお互いはっとして挨拶に動き出しました。

「やあっ、僕はセイ(青)だよっ。よろしくねっ。君がシンちゃんだねっ。
シンちゃんって呼んでいい?」
「うんっ。僕の事は是非シンちゃんって呼んでねっ。
僕この名前気に入ってるんだぁ。僕にぴったりだよねっ。
だからそう呼ばれる事はすっごく嬉しいよっ。
それで君がセイ(青)ちゃんだねっ!よろしくねっ。
それでさっ、ここではどんなことして 遊んでいるの?
僕はねっ蓮ちゃんを構いたいんだぁ(*^▽^*)」
ここでにこっとして蓮ちゃんを見ました。
自分が蓮ちゃんと仲良くなりたい事をアピールしているつもりです。

でも蓮ちゃんは悪い予感を感じてびくっとしました。
「ぼ、ぼくっ、遊ぶのはセイ(青)兄ちゃんのがいいのっ」

軽くショックを受けたシンちゃんです。
それで悲しそうな顔になってしまいました。
でもすぐに立ち直って蓮ちゃんに話しかけました
「え~っ、なんでなんで!?
僕ねっ蓮ちゃんをいっぱい構いたいの。
すごく面白そうなんだもん」

ここでセイ(青)ちゃんを振り返って
「ねぇっセイ(青)ちゃんもそう思わない?蓮ちゃんって
可愛いよねっ。セイ(青)ちゃんならよく分かるよね!」 と聞きました。


弾丸のように話すのでセイ(青)ちゃんは話す隙がありません。
シンちゃんはそれまでは派遣されたばかりのお家だからと
大人しく何も言わないで我慢していた分もあって
色々話したい事がたまっているようです。
その時にちょうど話しやすそうなセイ(青)ちゃんがやって来たので
せっせと話しかけてしまいました。

あっけに取られていたセイ(青)ちゃんは気を取り直してもう一度話しかけました。

「・・・ああ、えっと・・蓮が気に入ってるのか。よければ相手をしてやってね」
随分お兄ちゃんらしいことを言うようになってきました。
(ちょっと状況が理解出来ていなくてずれていますが・・)

それを聞いて蓮ちゃんは「えっ?」という顔をしました。
(セイ(青)兄ちゃんは全然分かっていない・・・蓮ちゃんは密かにそう思いました)
蓮ちゃんはしかめっ面になって来ました。 彩玉さんは何も言わず静かに様子を見ています。

セイ(青)ちゃんは理解出来ていないながらもこの隙をついて
話をおもちゃに切り替えました。
「それでさ、シンちゃんはおもちゃは好き?おもちゃはすごく楽しいんだよっ。
おもちゃの楽しさを知ったら、きっとシンちゃんも気にいると思うんだよねっ。
おもちゃはどう思う?」
シンちゃんは「おもちゃ?それってどんな物?僕は剣の事なら分かるよっ。
剣で悪い物をやっつけてやるのっ。でもおもちゃで悪い物をやっつけられるの?」 と
首を傾げています。

おもちゃを剣と混同しているようです。
何で剣は知っていておもちゃだけ知らないのかな?


セイ(青)ちゃんはおもちゃがどんなに色んな種類があるかを知らない
シンちゃんには おもちゃ説明会が必要だなと心の中で考えました。

(う~ん、やっぱりおもちゃ説明会をしないとおもちゃの奥深さを理解できないんだよね。
これは時間を決めておもちゃを集めて説明会だなっ)と固く決意しました。
言葉では「シンちゃんにおもちゃを詳しく知ってもらいたいから説明会するね!
きっと色々な事が分かるよ!」 と言いました。

「せつめいかい?それはどんな物なの?せつめいかいすれば詳しく分かるの?
悪い物をやっつけるのに それが必要なの?
ふ~ん。僕色んな事を知りたいからそのせつめいかいやるんなら聞くねっ」
説明会と聞いた途端にシンちゃんは黒龍ちゃんらしくなってきました。

セイ(青)ちゃんはそう納得してくれたシンちゃんに大きくうなずくと
「良かった♪すぐに準備するねっ。絶対分かりやすく楽しさを説明するから待っててねっ」
そう言うと
「うんっ!楽しみだなぁ。早くせつめいかいしてねっ。
楽しいおもちゃって何か知りたいなぁ。
悪い物をやっつけるのがそのおもちゃだと楽しくなるのかな?」と
嬉しそうに答えました。

そんな話をしている間もレイちゃんの影にいるナギちゃんはおどおどしていました。
セイ(青)ちゃんは興味深いシンちゃんとの話に夢中でもう一人いる事を忘れてしまっています。
レイちゃんがナギちゃんを前に出そうとしていますがナギちゃんはレイちゃんに
しがみついて 離れません。
セイ(青)ちゃんの事は気になるのですが今はシンちゃんとの話に
夢中なんで 割って入るなんてとっても出来ないナギちゃんです。

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