蓮ちゃんとシンちゃんの間の出来事
1
シンちゃんは蓮ちゃんが大のお気に入り、大好きな蓮ちゃんを構いたくて
仕方ありません。
蓮ちゃんもシンちゃんの事を最初は気に入りました。
とってもいいお兄ちゃんだと思ったからです。
でもシンちゃんがあんまり蓮ちゃん大好きを隠さずに構い倒してくるので
(もしかして僕・・勘違いしてたかも・・
何だかずっとニヤニヤして・・いつも僕が好き・・とか、
可愛いとか・・・きっと僕をからかってるんだっ)と
シンちゃんに対して警戒心を持ちました。
それで彩兄ちゃんから離れないように気を付ける事にしました。
シンちゃんは蓮ちゃんにぷいっと無視されても変わらずに
ニコニコ笑いかけて
「もうっ、蓮ちゃんはツンデレさんだなぁ。
でもそこも可愛いよねっ」と
冷たく無視されても蓮ちゃんの可愛さを語っています。
蓮ちゃんは今までの小龍ちゃん達と違う反応のシンちゃんに戸惑いを
隠せません。
今までこんなに冷たい態度を取ったら皆近寄らなくなりました。
シンちゃんが良く分からないので蓮ちゃんは落ち着きませんでした。
でも実はシンちゃんは単純な子でした。
一度弟にしたいと決めた蓮ちゃんです。小さい子の冷たい態度は
最初はちょっと悲しくなりましたが逆に闘志がわいてきました。
(絶対お兄ちゃんって言って貰いたい!)
そうしてもう一度じっくり蓮ちゃんを見ていると
小さい子のツンデレはとうっても可愛いと思えてきました。
ハクちゃんだったら落ち込んでしまう蓮ちゃんの冷たい態度も
なんのそのシンちゃんは鋼の精神力を持っているんです。
時たま冷たい態度に気持ちがくじけそうになると
想像力を働かせています。
(シンお兄ちゃんっ。遊んでっ)そう笑いかける蓮ちゃんの
姿です。その姿を想像するとニヤニヤが止まりません。
でもそれを見て蓮ちゃんが寒気を感じてかえって
近寄らなくなっているとは気づかないシンちゃんです。
2
シンちゃんとナギちゃんの歓迎も兼ねてセイ(青)ちゃんが
おもちゃ説明会を開きました。
もうすっかり慣れていて説明に無駄がありません。
手には説明用の細長いスティックを持ちおもちゃをもう一つの手に
持って丁寧に優しく一つ一つに部位をさして
その説明とどういった遊び方があるか、
どうしたら壊れないように遊べるか
細かく説明しています。
そのスティックで龍ちゃん達に分かる絵や言葉を描いた
白板のような物も使って分かりやすく見ていて遊んでみたくなる
おもちゃ達の説明をすべて終えて
セイ(青)」ちゃんはほっと一息つきました。
そこにシンちゃんが「はいっ」と手をあげました。
シンちゃんは自分が使う剣用にいいおもちゃなる物を
最初の内は知りたかったのですが話を聞くうちに
シンちゃんは蓮ちゃんが喜ぶおもちゃはどれかが
気になり出しました。
おもちゃは剣に使うより、蓮ちゃんに使う物だと
分かって来たのです。
それで積極的に質問して仲良くなるすべを見つけようと
思いました。
セイ(青)ちゃんは手をあげて質問して来たシンちゃんに
喜びました。
(僕のおもちゃの事をもっと知りたいなんて
すごくいい奴なんだなぁ)
基準がおもちゃなんでおもちゃに興味を持つ子は大好きです。
「はいっ、シンちゃん、聞きたい事を言って下さい」
シンちゃんを指さしてまるで授業をしている先生のように答えました。
他の子は誰も手をあげていないのでただの先生気分なだけです。
シンちゃんもついその調子にのって
「セイ(青)先生っ!蓮ちゃんが好きなおもちゃを
教えて下さい!」と聞きました。
蓮ちゃんが彩玉さんのお膝の上でびくっとしました。
またからかわれると警戒しています。
彩玉さんは蓮ちゃんを抱きながらシンちゃんに不信の目を
向けました。
彩玉さんもシンちゃんが良く分かりませんでした。
セイ(青)ちゃんは全然蓮ちゃんと彩玉さんの様子に気が付きませんので
「う~ん。。蓮の好きなおもちゃ??蓮も好みがころころ変わるからなぁ。
彩兄ちゃんの方が詳しいかなぁ?でもそれよりもシンちゃんの好きな
おもちゃは無いの?遊びたいおもちゃはどれ?僕が直接特別に
一緒に遊んであげるねっ」
セイ(青)ちゃんは遊んであげると言いつつ自分が遊ぶ気満々です。
セイちゃんの提案にシンちゃんは気が乗りませんでした。
「う~ん。僕は蓮ちゃんの好きなおもちゃで蓮ちゃんと
一緒に遊びたいからなぁ。セイ (青) ちゃんとはまた今度遊ぶねっ」
とセイ (青) ちゃんの事はほとんど眼中にないシンちゃんです。
梯子を外された セイ(青)ちゃん は、やっとシンちゃんが蓮ちゃんしか
興味がない事に気が付きました。
「あ・・・そうなんだ・・蓮とか・・」
ふられてちょっとがっかりした セイ(青)ちゃん は
蓮ちゃんに
「蓮、シンちゃんが蓮とあそんでくれるってさ。遊んでもらいなよ!」
と少し投げやりに声をかけました。
がっかりしてもお兄ちゃんとして蓮ちゃんと遊んでくれる子は貴重なので
ちゃんと気にしています。
蓮ちゃんは「えっ??」と嫌な顔をしました。
シンちゃんが気持ち悪いので関わりたくないからです。
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