黒龍のシンちゃんと紅龍のナギちゃん①

小龍ちゃんの話

色んな問題がどんどん起きるので派遣先の方のフォローや緊急対応用に
新たな小龍ちゃんを龍一家さんのお母さんにお願いして
そこを経由してあちこちに派遣する事にしました。
そこで抜擢されたのが今回の黒龍ちゃんと紅龍ちゃんです。


性格について


紅龍のナギちゃんは恥ずかしがり屋です。もじもじしています。
黒龍のシンちゃんはやんちゃな子です。少し黒鉄ちゃんに似ているかな?
剣で遊んでいるイメージが来るので剣が好きそうですのでゆにちゃんと気が合うかも。
もしかしたらセイちゃんとも気が合うかも知れません。

派遣間際

ナギちゃんはドキドキがとまりません。初めての人間界です。
勇気を出そうと胸の所に手を置いています。
シンちゃんがポンと背中を叩いて勇気づけるように笑いました。
こっちはわくわくが止まらないようです。

派遣後 玄関から入る時

ナギちゃんはドキドキが止まりませんので「おっお邪魔します・・」とおどおどと 入っていきました。
シンちゃんは「ここが少しの間いるお家かぁ。よろしくお願いしま~す」と元気いっぱいです。

お家の中で最初の龍ちゃん一家の龍ちゃん達との対面シーン

やって来たシンちゃんが彩玉さんの抱っこしている蓮ちゃんをのぞきこんでいます。
背中の後ろに手を結んで「じ~っ」と見ています。何がそんなに興味深いのかな?
ナギちゃんがシンちゃんの後ろから服を引っ張る感じで「やっ、やめなよ・・」と言ってます。

蓮ちゃんはなんで僕を見るのかな?と首を傾げています。
以前よりは随分初めての小龍ちゃんに慣れてきたので じっと見られても何も言わず様子を見ています。
彩玉さんがそこで声をかけました。
「君たちが新しい子達だね。僕が彩玉だよ。
ここにいる間は何か心配な事や 気になる事があったらいつでも言ってね。
それで僕が抱いているのが蓮だ。この家の一番下の子だ。
真ん中のセイは 今外出しているので戻ったら挨拶させるね!
次に家に少しの間いるのがレイちゃんだよ。皆楽しみにしていたんだ。
短い期間だけど家を楽しんでいってね!」

そこでシンちゃんは「はいっ!ここのお家の龍ちゃん達はとっても居心地のいい感じがしますっ。
僕も楽しく過ごしたいですっ。よろしくお願いしますねっ」とにこっとしました。
愛嬌のあるシンちゃんです。
蓮ちゃんが一発で気に入ったようで笑顔を返して「よろしくねっ」と笑いかけました。
シンちゃんも蓮ちゃんが気に入ったようで弟分として構い倒そうと決意しています。

ナギちゃんは「ぼっぼく・・・恥ずかしがり屋なの・・
だからあんまりお話うまくないけど・・よろしくお願いしますっ」と丁寧に頭を下げました。
レイちゃんが自分に似ている物を感じてナギちゃんの手をぎゅっと握って
「僕はレイです。これからよろしくね」と一言挨拶しました。

レイちゃんはシンちゃんはセイちゃんに似ているからあんまり声をかけないでも
大丈夫だと思ったので先にナギちゃんを優先しました。
蓮ちゃんは最初から顔を覗き込まれたシンちゃんの印象が強いのでナギちゃんは
影が薄く感じてしまいました。
でも少し経てばそれぞれ仲良くなれそうですね。
彩玉さんは(今回の子達は誰ともうまくやれそうだな)と胸をなでおろしていました。
ナギちゃんはレイちゃんが手を握ってくれてすごく安心しました。
緑龍さん効果ですね。レイちゃんにくっついてまだ慣れていない他の人をけん制しています。
まだまだ龍見知りしています。
緑龍ちゃんじゃない紅龍ちゃんなのに性格が緑龍ちゃんみたいなんで
レイちゃんと気が合うのかもしれません。


(ここで二人の名前が決まったのでここからは名前を呼んでいます)
その後彩玉さんはそれぞれに挨拶するように言いました。
「シンちゃん、あっちにいるのが緑龍のレイちゃんだよ。
少しの間ここに滞在しているんだ。仲良くしてね」

シンちゃんはレイちゃんをちらっと見ました。
すでに家に入った時に居心地がいいと感じたのは
(レイちゃんと彩玉さんがこの居心地がいい空間を作っているのかな?)
と好意的に見ています。
ナギちゃんが懐くのも納得の穏やかな気を持っています。
「レイちゃんかぁ、僕はシンだよ、よろしくねっ。
ナギちゃんはレイちゃんが気に入ったようだからナギちゃんの事もよろしくね!」
挨拶している間もレイちゃんにぺったりなナギちゃんです。

次に彩玉さんは抱っこしている蓮ちゃんに声をかけました。
「蓮ちゃん、ナギちゃんに挨拶しようか?」
優しくそう言うと蓮ちゃんは「あっ!」と言うように驚きの声をあげて
すっかり忘れていた事に驚いた顔をしました。
(ナギちゃん・・影が薄すぎです)
それから彩玉さんの腕から降りるとトトっとナギちゃんの所に
駆けて行きました。
ナギちゃんの前に着くと蓮ちゃんがナギちゃんを見あげて笑いかけました。
それにナギちゃんはびっくりしました。


最初に見た時からナギちゃんは(蓮ちゃんは自分を好きならないだろうな・・)
となんとなく感じていました。
気難しそうな蓮ちゃんははっきりした子が好きだろうと、シンちゃんと蓮ちゃんを
見ていて感じていました。(ナギちゃんは意外と鋭いです。蓮ちゃんが難しい子だと
一目で見ぬきました)
ナギちゃんは自分を低く見てしまう所があります。
小龍ちゃんの中でもすごく内気で恥ずかしがりなのではっきりした性格の紅龍ちゃんの
中にいると影が薄かったナギちゃんです。
その為いつも目立たないでいるのに慣れてしまい注目を浴びるのが苦手になりました。
そんなナギちゃんは自分とは関わらないと思っていた蓮ちゃんが自分から
声をかけて来たのはとっても予想外でした。

蓮ちゃんは言いました。
「ナギお兄ちゃん、僕ねレイお兄ちゃんといつも一緒にいるの。
レイお兄ちゃんは穏やかで優しくてね、とっても居心地いいんだよっ。
だからねっ、少しの間レイお兄ちゃんを
ナギお兄ちゃんに貸してあげるねっ。その間は僕は彩兄ちゃんがいるから大丈夫なのっ。
だからここでゆっくりして行ってね!」
蓮ちゃんはナギちゃんの本質をアッと今につかんでいました。
(居心地を良くする為に「お兄ちゃん」もつけて呼んでいます)
そうしてナギちゃんを安心させる言葉を言うとナギちゃんがあっけに取られて
一言も話さないでいる内ににっこり笑ってまた彩玉さんの元に戻っていったのでした。

レイちゃんは蓮ちゃんの言葉に嬉しくて感激しています。
ボーッと歩いていく蓮ちゃんの後ろ姿を見つめていました。
今まで龍ちゃん一家の龍ちゃん達の中で一番影が薄いのはレイちゃんでした。
個性的なセイ(青)ちゃんや蓮ちゃん、その二人の
手綱を握る彩玉さん。色んな事件が起きる時、レイちゃんはおろおろしている内に
取り残されてしまいます。それで自己嫌悪に陥る時もありました。

レイちゃんは自分はとっても普通で平凡で何にも出来ないと思っていました。
ですので今回の蓮ちゃんの言葉には知らない自分を教えてもらったような気が
したのです。自分のままで大丈夫なんだと励ましてもらったようでした。
それでレイちゃんは涙ぐんで蓮ちゃんの後ろ姿に「蓮ちゃん。ありがとう」と
小さくつぶやいたのでした。

そんな風に涙ぐんで蓮ちゃんが歩いていくのを見ているレイちゃんの手を
ナギちゃんはぎゅっと握って励ましました。
レイちゃんの気持ちが痛いほど分かるからです。
レイちゃんの温かい手を握りながら
ナギちゃんは(ここのお家はとても住みやすいかも・・・)
そう安心しました。

その様子を見てシンちゃんはちょっと不満でした。
(なんで蓮ちゃんは僕の事はお兄ちゃんって呼んでくれないのかなぁ?)
蓮ちゃんを構い倒したいのか蓮ちゃんに構って欲しいのか、
まだまだ子供なシンちゃんは仲良くなる方法に必死でよく分かっていません。
シンちゃんは蓮ちゃんがお気に入りなので「お兄ちゃん」って
呼んでもらうためには何をしたらいいか考えだしました。
それが蓮ちゃんに嫌われる方向に進む事になるのに
気が付かないシンちゃんでした。


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