蓮ちゃんと赤ちゃんとおもちゃ

小龍ちゃんの話

蓮ちゃんに生まれて初めておもちゃを渡された赤ちゃんは
その面白い形の物を握り締めています。
くまさんの形のおもちゃは
ちょうど赤ちゃんの手に馴染みました。
赤ちゃんは何だろう?とちょっと振ってみました。
すると音が鳴りました。
赤ちゃんはわくわくしてきました。
「おもちゃ面白いの~。音がしゅる~、
音がしゅるの~僕おもちゃしゅき~。おもちゃで遊ぶの~」
今までおもちゃを知らなかった赤ちゃん。
音のなる不思議なおもちゃなるものを
それは嬉しそうにぶんぶんと振りながら
思いっきりおもちゃを楽しんでいます。

おもちゃを振り回す度に音がするので楽しくて仕方ありません。
「きゃっきゃ、きゃきゃっきゃ」と笑いながら
せっせとおもちゃを振り回しています。
セイお兄ちゃんが見ていたらおもちゃが壊れる心配を
していたと思うほど勢いよく振り回しています。
赤ちゃんは意外と力が強いようです。

赤ちゃんの楽しんでいる様子に嬉しくなりながら
「僕のお家のおもちゃだもん、セイお兄ちゃんの
大切なおもちゃだからねっ。すごく楽しくあそべるんだよっ」
蓮ちゃんのお兄ちゃん自慢とおもちゃ自慢が始まりました。

セイお兄ちゃんに赤ちゃんのおもちゃだからと
以前一人きりにされておもちゃがつまらないと
思っていたのを忘れてしまったようです。
「赤ちゃん!これもあるんだよっ。こっちのおもちゃも
音が鳴るんだよ~すごいでしょうっ」
おもちゃ箱をガチャガチャと探してまた違う音のなるおもちゃを
持ってきました。
新たなおもちゃを赤ちゃんに渡す時にも
蓮ちゃんのおもちゃ自慢が止まりません。
赤ちゃんは新たに渡されたおもちゃを
手を伸ばして受け取りました。
その目はキラキラしてとっても嬉しそうです。
おもちゃを振りながらじっと見つめました。

「あっ。これっ、また違う音がしゅるの~
しゅごいねぇっ」ほうっとおもちゃを見ながら
おもちゃの素晴らしさにため息をつきました。
「蓮ちゃん、ぼくっ、おもちゃ欲しいの~。
おもちゃでお家で遊びたいの~。
おもちゃはどうしたらおててに持ってけるの?」と
こてんと可愛く首を傾げながら蓮ちゃんをくりくりとした
お目めで見つめました。
パチパチのまつげの長いその可愛いお目めで見つめられると
誰もが言う事を聞いてあげたくなるような可愛いさです。

蓮ちゃんは赤ちゃんの可愛いお目めで見つめられて
おもちゃをあげたくなりました。
「赤ちゃんはおもちゃが欲しいの?お家のおもちゃはとっても
面白いからねっ。欲しくなるの分かるのっ。
赤ちゃんはどんなおもちゃが好きなの?」
「あのね~こえと~、こえとっ、こっちなの~」
特に好きなおもちゃを自分の周囲にちゃんと置いて
いつでも持っていけるようにしています。
その中にはくまちゃんのおもちゃもあります。

実はちゃっかりと好きな物を分けていた赤ちゃんです。
蓮ちゃんは赤ちゃんの気に入ったおもちゃを
見ながらまたおもちゃ箱から新たなおもちゃを持ってきました。
「でも・・このおもちゃはセイお兄ちゃんのなの・・
赤ちゃんは持ってけないの・・・」
赤ちゃんに新しいおもちゃを渡しながらも
セイお兄ちゃんに怒られてしまうので
勝手にあげれないので蓮ちゃんは赤ちゃんの言葉に
困っていました。
つい大お兄ちゃんに助けを求めて
大お兄ちゃんを見ると気持ち良さそうに眠っています。
おもちゃで遊んでいる時に眠るのは彩玉さんの生活パターンの
一つのようです。
気持ちよく寝ている大お兄ちゃんの邪魔はしないようにしている
蓮ちゃんはその場でお座りしてう~んとあごに手を当てて悩んでいます。
その姿はなんだかセイお兄ちゃんに似ています。
何でも真似したがるお年頃の蓮ちゃんです。
悩むふりをしてもどうしていいか分からない蓮ちゃんは
赤ちゃんがすごく欲しそうなのでセイお兄ちゃんが
帰ってきたら聞いて見ようと思いました。

赤ちゃんは蓮ちゃんに聞いてみた物の新しいおもちゃを
見た途端に聞いた事も忘れておもちゃに夢中です。
「きゃっきゃ、きゃきゃっきゃ」と笑いながら
せっせとおもちゃを振り回して音を楽しんでいました。

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